ベルリン発ボンベイ行自家用オペル | かふぇ・あんちょび

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このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。

 ヒッチハイクの思い出をもうひとつ。
まあこれは路上で親指を立てた訳ではないので、厳密にはヒッチではありませんが…。

 インドーパキスタンの国境の町アムリトサルから、西インド、ラジャスタン州のプシュカルという町まで、ドイツ人カップルの乗るおんぼろオぺルに同乗して3日間旅をしました。
ガソリン代半分負担、運転は3人交代で、というのが条件でした。
これも素晴らしい経験でしたよ。

 私と同年代であったピーターとガブリエラという名の二人は、金髪碧眼のばりばりゲルマン系で、テクノとドラッグに快楽を追い求めるタイプの旅行者でした。彼らは陸路はるばるドイツからその中古車で、中欧・東欧、西アジアを経て、インド亜大陸までやってきたのです。

カーステレオからは大音量でテクノが流れ、猛スピードで疾走する車窓にはインドの風景が広がっていました。
そして路上には、トラック、リキシャ、牛、駱駝、はては象、そしてうごめくインドの人々たち…。
日本での運転経験などまったく役に立ちませんでした。
だいたい、インドにおいて交通ルールや運転マナーなるものがあるかないかすらわからなかったのです。

 異国の路をぶっ飛ばすのは、どこまでも自由で、爽快な気分でした。

 彼らとはプシュカルの町で別れ、後にヒッピーの聖地ゴアで再会するのですが、あわれオペルは終着の地を目前にトラックと衝突し、廃車となったらしいです。
二人はポリスが到着するまでの間に、集まった野次馬の人々に車の装備や荷物を売り払い、ゴア到着時には私と同じバックパッカーでした。